2010/09/19

椅子とポシェット


1995年1月17日 阪神大震災が起きた当時、卒業設計の2次提出に取り組んでいました。建築を勉強している以上一度自分の目で状況を確認するべきだと思い、友人らと現地に足を運びました。そこで感じたのは、建築家を目指す自分が社会に対して何ができるか?今自分は東京で、きれいな紙にきれいな図面を描いているが、それらは実用化されないので、やがてゴミとなってしまう事に腹をたてました。今あるもの、例えば廃材やら棄てられたモノを使って再生したい、しかも役に立ちたいという思いでした。
やがて東京に戻り、きれいな図面で提出する事をやめ、廃材を利用した椅子を作りました。他の生徒たちはきれいな図面を提出する中、大震災の影響を受け、汚れた木材で作った椅子を提出した事は、異色な存在で、教授陣たちには当然受け入れてもらえませんでした。しかしその椅子は、15年たった今でも思い出として家にあります。
ちなみに写真中の椅子に掛かっているのは、以前お話した TARASUKIN BONKERS の作品です。みかんを入れる網で作られたポシェットです。

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