『小さな建築』 隈研吾 (岩波新書)を読みました。
ここで言う「小さな」建築とは、文字通り小さなもので、パビリオン(仮設建築物)のような屋台のような建築を指します。
ここで興味深いのは、身体がハンドリングしやすいサイズ、つまり一人で片手で扱える材料、それが工事用ポリタンクを思い立つ発想がすごい。水を抜けば軽くなって、誰でも持ち運びできますね。それが水のレンガとなり、更にその水のレンガに映画を映写する、という点まで非常にユニークです。
他にも、飛騨高山に伝わる「千鳥」というおもちゃの持つシンプルな原理から、三次元の立体的建築へ応用し、ミラノサローネに出展する発想もすごい。この仕組は釘も糊も使用しないので、容易にハンドリングできる点が魅力的です。このアイデアを更に展開し、太宰府のスターバックスのインテリアデザインにも応用する点も、同じシステムでは飽きたらず、更に発展させるところも隈さんらしく、挑戦的です。
このように、身近な材料で発想を膨らまして、応用していく考え方が素晴らしい。日頃から、常にアンテナを張っておく必要性を感じました。
自分も「大きな建築」に疑問を持っていたので、最後まであっという間に読まさせて頂きました。
建築を考えていく上でも必要なものは、挑戦と応用力ですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。